【女医ブログ】切迫早産治療のプロゲデポー(筋肉注射)の効果/副作用/赤ちゃんへの影響

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女医ブログをお読み頂き

ありがとうございます。

今回もは切迫早産の治療薬である

プロゲデポーについてみていこうと思います。

プロゲデポー(筋肉注射)の効果や副作用、

赤ちゃんへの影響などを順に

みていきたいと思います。

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切迫早産の治療薬

切迫早産の治療薬には、

ウテメリン、マグセント、

当帰芍薬散、プロゲデポーなどがあります。

長い間の切迫早産の治療のメインは

子宮収縮抑制薬(お腹の張りを抑える薬)である

ウテメリン・マグセントでした。

プロゲデポーは比較的最近でてきた薬で、

子宮収縮抑制薬である、

ウテメリン・マグセントとは

全く違った効き方をする薬です。

私も長男の入院の時は使用していなくて、

次男の入院の時は34週になるまで、

週に1回のプロゲデポーの筋肉注射がありました。

プロゲデポーはこれからの切迫早産の治療において

なくてはならない薬になる可能性もある薬です。

では、プロゲデポーについて順にみていきましょう。

プロゲデポー(筋肉注射)とは

プロゲデポー(筋肉注射)は、

プロゲステロン(黄体ホルモン)

を注射剤にしたものです。

プロゲステロンとは女性ホルモンの一種で、

主に卵巣で作られます。

妊娠をすると、プロゲステロンは

黄体という部分で作られるようになり、

その後、胎盤が完成すると、

胎盤で作られるようになります。

そして、出産するまで体の中の

ホルモンの値はずっと上昇を続けていきます。

ではプロゲステロンはどんな仕事をする

ホルモンなのでしょう?

簡単にいうと、

プロゲステロンは、赤ちゃんが外に出て来ないように

体の環境を整えているホルモンです。

具体的には

・子宮頚管が柔らかくなるのを防ぐ

→子宮の出口が柔らかくなると赤ちゃんが出てきます。

・子宮の収縮を防ぐ

→お腹が張っている状態です。子宮が収縮すると

赤ちゃんは外に出てきます。

・赤ちゃんが居心地がいいように子宮の中を整える

・排卵しないようにする

・母乳が作られないようにする

→母乳がでてくるとオキシトシンというホルモンが出ます。

このホルモンは子宮を収縮させる作用があるので、

出ると困ります。

プロゲステロンというホルモンが

妊娠を継続できるように様々な仕事をしている

ことがわかります。

切迫早産と診断された場合、

赤ちゃんは外に出てきそうになっていますので、

それを止めるために、プロゲステロンを補充する

ことができるようになったのが、

このプロゲデポーという筋肉注射の薬です。

ではどれくらい効果があるのでしょう?

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プロゲデポーの効果は?

先ほど説明があったとおり、

プロゲデポーはプロゲステロン製剤です。

そして、海外では、筋肉注射ではなく、

プロゲステロン製剤の膣錠が使われています。

(日本では現在、膣錠は保険適応外になっています。)

※膣錠:膣に挿入して使う薬です。

そして海外で使用されているプロゲステロンの膣錠には

早産の予防効果があることが証明されています。

また日本では2016年1月に不妊治療の領域で

プロゲステロン製剤の膣錠が承認され、

現在一部で使用が開始されています。

(切迫早産の早産予防の治療としてはまだ承認されていません。)

プロゲデポーは、プロゲステロンの膣錠ではなく、

筋肉注射の薬ですが、週に1回250㎎の投与で

早産を減少させるという報告があります。

(海外からの報告)

しかし、日本で保険適応となるのは

プロゲデポーの筋肉注射を

週に1回125㎎の投与のみです。

そのため、私も次男の入院の際

週に1回125㎎の筋肉注射を受けていました。

海外で早産が減少するという報告がされているのは

1回250㎎なので、その半分量になります。

気になったので産婦人科の主治医の先生に聞いてみました。

返答としては

「海外のデータの半分量だけど、

日本人は体格が小さいから、

これぐらいでも効果がでるんじゃないかな。」

と曖昧なことをおっしゃっていました。

プロゲデポーに限らず、日本の薬が

海外より量が少ないというのはよくあることです。

半分量でも、しないよりは効果があると

期待しましょう!

私はそう思っていました。

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プロゲデポーの適応/副作用

プロゲデポーの適応(使用する状況)

早産の既往 及び 早産のリスクが

ある妊婦に週に1回125㎎の投与を行う。

その他に無月経、月経周期異常、月経困難症、

機能性子宮出血、不妊症などを

治療する薬として使われています。

海外では妊娠16週以降の投与が

推奨されているようです。

プロゲデポーの副作用

・過敏症

・皮膚のぶつぶつ

・肝機能障害

・むくみ、

・体重増加

・頭痛

・眠気

などが認められることがあります。

副作用ではないですが、筋肉注射なので、結構痛いです。

液体もどろっとしているので、余計かもしれません。

注射を受けている時もですが、

しばらく痛みが尾を引きます。

夜に寝る時に痛くて、

注射された方の腕を下にできない時もありました。

あんまり痛くない時もあったので、

痛いかどうかはその時々によるのかなって思います。

プロゲデポーの赤ちゃんへの影響は

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コメント

  1. 川島 より:

    教えて下さい。
    現在で2人目を妊娠中です。1人目の時に24週で切迫早産で入院。34週で出産になりました。今回も切迫の危険性があるとのことで、現在妊娠9週で筋肉注射がはじまりました。こんな初期から注射をするのは胎児への影響は大丈夫でしょうか?教えてください。よろしくお願いします。

    • nakamura8643 より:

      川島様
      コメントありがとうございます。英語の論文も読んで調べてみました。
      世界的にはプロゲテポーの投与は妊娠16週以降が推奨されてはいるようです。
      それ以前の投与については、「男の子の尿道下裂」という病気が増える「かも」しれない。
      となっていました。
      以下がその文章の本文そのままです。
      ただし英語の論文は黄色人種(日本人)がベースではないことが多いので、参考程度にしかなりません
      不安なら、主治医に相談してみて下さい。また何かあればいつでも質問して下さいね。

      A possible increase in risk of hypospadias in male offspring exposed to exogenous progestins before 11 weeks of gestation has been described [77,78]. Even if confirmed, the concern is not relevant to women with prior preterm delivery since they will receive the drug after 16 weeks of gestation.

      元気なお子さんが生まれるのを私も祈っています。
      また長期入院になるかもしれませんが、淡々と日々をお過ごしください。
      (頑張ってとは口に出せませんでした。)