【女医ブログ】切迫早産 骨盤ベルト/骨盤矯正ってした方がいいの?第1章

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記載日 2018.11.16

最近、妊娠出産~出産後に骨盤ベルトを

するのが流行っています。

商品も沢山出ています。

私も、骨盤ベルトについて調べましたし、

実際に使っていました。

しかし、骨盤ベルトについては、

サイトによって書いている情報が違い過ぎて、

結局どうなの?

と思うわけです。

そこで、色々気になったので、

最近の論文や研究を読んで、

自分なりの結論を出しました。

今後も変化していくと思いますので、

記載日、更新日などきちんと記載しておきます。

最新情報を更新していこうと思います。

骨盤ベルトについて、

「結局何が正しいの?」

と思っている方、是非読んでみて下さい。

参考にした論文・研究も参考に載せておきます。

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なぜ骨盤ベルトについて詳しく調べてみようと思ったのか?

妊娠中に切迫早産で入院になったので、

時間が沢山出来ました。

そこで、骨盤ベルトについても調べてみました。

まず、商品がすごく沢山あります。

「で、結局どれがいいの?」ってなりました。

さらに、骨盤ベルトについて調べていくと、

骨盤ベルトをつける時期について

「妊娠後期~産褥期、産後3ケ月までは最低着けましょう」

「出産後1カ月からつけましょう」

「出産後直後からつけましょう」

「出産後、悪露がおちついた2週間後からつけましょう」

など、色々なことが書いてあります。

そして、その根拠について、それらしいことは書いてあっても、

参考文献などは示されていません。

(つまり書いている人の経験に基づいたものや

ネットで情報を集めただけのもの )

どれが正しいの?どうしてほしいの?

そもそもなんで骨盤ベルト付けるの?

全員必要なの?

など、とにかく疑問だらけでした。

そして、それが解決しないまま、

助産師さんに言われるままに骨盤ベルトをつけました。

私は、骨盤ベルトを産後直後からして、

次男の時は産後2カ月ぐらいから、骨盤矯正を専門にしている

接骨院に通いました。

が、とても調子が悪くなり後悔しました。

(これについてはまた機会があれば記載します。)

そこで、骨盤ベルト/骨盤矯正について

きちんと調べてみよう!

(最新の論文や研究を読みました。)

そして、今私と同じ状況になっている人に伝えよう。

と思ったため、色々調べました。

少し専門的なことも書きますが、

できるだけわかりやすく、

図なども用いて説明するつもりです。

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妊婦・出産後のの腰痛には種類があるの?

ここをきちんと区別して書いているものは

ネットのサイトでは、ほとんどありません。

妊娠して、腰の周りが痛くなるという方は

50%~80%ほどいるようです。(調査により頻度の差あり)

そして、妊婦の腰の辺りが痛いという訴えは

2つの状態が絡んでいます。それは、

腰痛と骨盤痛

です。

なぜこの二つを区別しないといけないののか。

それは、

妊娠に伴い骨盤痛が起こっている人は

日常生活に支障をきたすことが多く、

出産後6か月以降も症状が継続します。

一方で、腰痛が起こっていた人は、

日常生活に支障をきたすことは少なく

出産後6か月以内に自然に治ることが多いのです。

さらに、

骨盤ベルトは骨盤痛・骨盤不安定性に効果があります

が、腰痛にはあまり効果はありません。

参考文献:妊娠に関連した腰痛と骨盤痛への介入方法における国外文献の検討 安藤布紀子

そして、出産後皆に骨盤ベルトが必要なのか?

ということについては、現在研究がされている

ところで、明確な解答は得られませんでした。

しかし少なくとも、

妊娠、出産後に骨盤痛があった方は、

骨盤ベルトをつけ、しかるべき治療を受けておかないと、

後々まで症状が継続し、子育てや家事、仕事などに

支障をきたす可能性があるということです。

しかし、当然ですが、骨盤と腰の背骨はつながっていますし、

筋肉や靭帯などもどちらの骨にも共通で作用しているものが

沢山あります。

ですので、厳密に腰痛・骨盤痛と分けることが

できないこともありますし、

腰痛と骨盤痛の両方を同時にもつ方もいます。

特に日本国内では、腰痛と骨盤痛に分けて

きちんと対応を使用という病院は少なく、

そこまで厳密にされていないというのが実情です。

その理由は、妊婦の腰痛(骨盤痛含む)は、

妊娠中のマイナートラブルとして扱われており、

妊婦の80%程度が訴えるため、

それについていちいち細かく対処していられない。

という事情や、本当にひどい方はごく少数なので、

そこまで重要性を感じていない。

といったことが挙げられます。

しかし、妊娠出産に伴う骨盤痛は、

酷い場合で適切な治療を受けなかった場合、

その後の人生でずっと痛みを抱えることになります。

ですので、きちんとした知識を持つことは

大切だと私は、考えています。

今回は腰痛と骨盤痛をどうやって見分けるのか、

現在分かっている範囲で調べ、解説しようと思います。

そしてそのためには、骨盤がどのようになっているのか

という理解も必要ですので、そこも解説しようと思います。

参考文献:妊娠に関連した腰痛と骨盤痛の定義における文献検討 安藤布紀子 大橋一友

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骨盤について

最初から難しい言葉が出てきますが、

骨盤痛には、

  • 恥骨結合部痛
  • 仙腸関節部痛

とがあります。

恥骨結合と、仙腸関節について説明します。

骨盤の模型です。背骨(腰痛:ようつい)

と太ももの骨(大腿骨:だいたいこつ)

も描かれています。

お腹の赤ちゃんを自然分娩するとき、

赤ちゃんはこの写真にある骨盤の中央の円の中を通って出てきます。

次の図は、背骨(腰椎)と

太ももの骨(大腿骨)を除いた図です。

代わりに骨盤の骨の名称が書かれています。

この仙骨という緑の骨が、

お尻の中央にある骨です。

そして、オレンジの骨が腸骨という骨です。

この2つの骨がくっついている部分が、

仙腸関節という関節になります。

そして黄色の骨が恥骨という骨です。

恥骨は、ちゅうど股の中央・一番前にある骨です。

膀胱の真下の骨です。

左右の恥骨が合わさっているところを

恥骨結合といいます。

先ほども書きましたが、

赤ちゃんは骨盤の円の中を通ってきます。

そして、基本は骨盤は骨でできていますので、

広がりません。

しかし、赤ちゃんも出てこないといけないので、

少しでも広げようとします。

そこで、広がるのが、今、説明した

仙腸関節恥骨結合です。

子どもが大きかったり、

出産時にトラブルがあった場合などは、

広がりやすいようです。

ここは、出産がなければ、絶対に広がらない部分です。

ですので、男性でここが痛いという方はほぼいません。

この仙腸関節の部分や恥骨の部分が出産後痛い!

という場合は骨盤痛です。

2人目、3人目さんなどを出産される場合は、

出産前から、同様の場所が痛いことがあります。

それは、1人目で一回広がっているので、

広がりやすくなっており、痛みを感じるのです。

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骨盤痛の見つけ方

仙腸関節痛

仙腸関節は広い関節なので、

痛みが色々な場所で起こりえます。

ですので、症状が多岐に渡り、

見つけるのが難しい場合もあります

今回は、症状と家でできる簡単な検査に

ついて書きたいと思います。

ただし、今回の検査をして痛みがないからと言って、

仙腸関節痛がないとは言えません。

逆に、もし痛みがあったら、仙腸関節痛の可能性が高いです。

【症状】

座る姿勢が辛くて電車に乗れない

前かがみができなくて靴下が履けない

歩くときの片脚荷重で痛みが強くなる人

などがいます。

特徴は痛みの場所になります。

これはお尻を背中側からみた図です。

「痛いのはどこですか?」と聞かれた時に、

痛みのある場所を人差し指1本で指し示すとき(抑えてみた時)に

上の図の辺りの場所が痛い場合、

仙腸関節障害の可能性が高いです。

またうつ伏せに寝て仙骨をぐっと押したときに

痛みが出るときも仙腸関節痛が疑われます。

※仙骨の位置はうつぶせになって、肛門のより頭側の

掌一枚分くらいの範囲です。

恥骨痛

こちらも症状は多岐に渡ります。

【症状】

下腹部の辺りが痛い。

膀胱に沢山尿が溜まると痛い。

足の付け根辺りが痛い。

などです。

恥骨痛は、恥骨を押さえた時にひどくなります。

恥骨はとても触りやすい骨になります。

※ちょうど股の真ん中、膀胱の真下に来る骨です。

ですので、そこを押さえて痛みがある時は、

恥骨痛の可能性があります。

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【女医ブログ】切迫早産で入院
骨盤ベルトってした方がいいの?第2章の予告

次回は、骨盤痛を見つけた時に

どうしたらいいのか、

病院にいくべき?

接骨院などでも対応できる?

効果的な筋トレ方法はあるの?

さらに自分でできることとして、

骨盤ベルトは使用すべきなのか?

どう巻いたらいいのか、

などについて、説明しようと思います。

まとめ

今回は、骨盤矯正/骨盤ベルトを

使用すべきかどうかを考えるための

基礎知識について、まとめました。

少し難しいところもあったかと思いますが、

なぜ、骨盤矯正/骨盤ベルトをするのか、

なんの症状が緩和されるのか

などを知るのに欠かせない知識です。

分かりづらい所などは問い合わせで質問して

いただけると嬉しいです。

長文を読んでいただいてありがとうございました。

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