女医ブログをお読みいただき
ありがとうございます。
今回は、先発品であるウテメリンと
後発品(ジェネリック)であるリトドリンの違いや問題
についてみていこうと思います。
ウテメリンとリトドリンの効果や価格に関しても
比較していこうと思います。
目次
ウテメリンとリトドリンの違いは?
先発品のウテメリンと
後発品(ジェネリック)のリトドリンは
何が同じで何が違うのでしょう。
ウテメリンとリトドリンで同じなのは?
お腹の張りを抑える作用を示す、
有効成分が同じ量含まれています。
先発品のウテメリンの有効成分の特許が切れたので、
有効成分がどのようなもので、
どれぐらいの量を含んでいるのか、を
先発品のメーカーが公開します。
それをもとに他のメーカーが後発品をつくり
ジェネリックの「リトドリン」として販売します。
ウテメリンとリトドリンの違いは?
ウテメリンとリトドリン
各々の中に含まれる添加剤が違います。
添加剤とは、薬のコーティング剤や安定剤などです。
添加剤については、先発品のメーカーは公表しません。
ですから各々のメーカーが独自の添加剤使用することになります。
これは製薬会社により異なるので
「ウテメリン」に含まれる添加剤と
「リトドリン」に含まれる添加剤が違うのはもちろんですが、
「リトドリン サワイ」に含まれる添加剤と
「リトドリン ファイザー」に含まれる添加剤は違います。
同じように「リトドリン」と書いていても同じものはありません。
では添加剤が違うと何が違うのでしょう?
添加剤は色々な仕事をしています。
一部記載します。
・薬の形状を作る
・口に入れた時にどのように溶けるか
・腸での吸収速度を調整する
・味
などです。
問題になるのは、腸での吸収速度などが異なる可能性があること。
腸での吸収し速度が異なると同じような薬の効果が出ない可能性があります。
そのため厚生労働省は
添加剤が異なっても有効性や安全性に違いが出ないように
ジェネリック医薬品の承認審査において、生物学的同等性検査
というものを行っています。
これは、薬の効果を示す主成分の血中濃度の動きが、
先発品と後発品が同じであることを示すものです。
ですので、基本的に薬の有効成分は、内服後は
ウテメリンもリトドリンも同じような動きをすると
考えられています。
またもう一つ明らかに異なるのは価格です。
それについては後の項目で説明します。
ウテメリンをリトドリンにすると
問題がある?
先ほど、ウテメリンとリトドリンの
同じところと違うところを見てきました。
まとめると
・薬の薬効成分や量は同じ。
・内服後の有効成分の血中濃度の変化は同じ。
・添加剤が異なる。
というものでした。
では、リトドリンにして、何か問題はあるのでしょうか?
一つは、添加剤により、アレルギーが起きたり、
副作用が出たりすることがあります。
これについては、一定確率で起こり、薬を変えると
なくなることがあります。
逆をいえば、ウテメリンでも同様のことが起こりえます。
また、リトドリンを飲むことで、
プラセボ効果・切り替え効果というものがでることがあります。
これは、薬を後発品に替えたことで、
「効かないんじゃないか」と本人が思っていることで、
効果が実感されなくなることです。
特に、ウテメリンはお腹の張りを抑える薬で、
ストレスでもお腹は張ります。
ですので、
後発品のリトドリンを使うことで
「効かないんじゃないか」
「お腹が張るんじゃなか」
「後発品は不安」
などと思っていることがストレスになり、
実際にお腹が張る可能性があります。
これはどのような薬でも一定数確認されてます。
このプラセボ効果や切り替え効果は、
本人が後発品をどう思うのか。
と言うことが影響します。
ですので、起こるとも起こらないともいえません。
ウテメリンとリトドリンの
効果に違いがあるの?
ウテメリンとリトドリンについて、
順にみてきました。
そして効果に違いがあるの。
ということについての結論は、
ウテメリンの有効成分の吸収については
きちんと行われているはずなので、効果は同等
であると考えられます。
しかし、プラセボ効果や切り替え効果が強くでて
しまう場合、後発品やジェネリックに不安がある場合は
リトドリンにすることで、お腹の張りが増える可能性
があると思います。
また添加剤のアレルギーや副作用は
飲んでみないとわかりません。
後発品(ジェネリック医薬品)について、
調べていくと、先発品と同等の効果を得られず、
販売が中止になるものもありますし、
患者さん自身が効果を実感できなくなった
体験談なども散見されます。
その理由は色々とあるのですが、
一つは、抗不安薬や睡眠薬などは同じ効果を出すのが
難しいです。
それは、脳に作用する薬だからです。
脳は人間の中で一番大切な臓器になるので、
必要のない物質が通らないように血液脳関門
というものが存在しています。
この血液脳関門を添加物が通れないと、
きちんと作用しないのです。
また、吸入薬・湿布・塗り薬なども、
先発品と同じ効果を示すのが難しいです。
それは、吸入薬を吸うための装置にも特許があり、
同じものが使えない事や、
湿布や塗り薬は、皮膚から薬を吸収させるので、
その吸収率を調整してるのが添加物になります。
ですので、添加物の役割がより大切になります。
と言っても、後発品のメーカーも頑張って
開発しますので、同等だと認められているものもあります。
最初にジェネリック医薬品が世の中に出てきた時は
薬効が安定しなかったり、薬自体が粗悪なものもあったので、
反対の風潮が強かったですが、
最近は安くて、問題ない後発品(ジェネリック)が
沢山出ています。
特に内服薬は安心して飲めるものが多くなってきている
と思います。
ウテメリンとリトドリンの価格を比較!
価格表を載せておきます。
2018年のデータです。
ウテメリンは1錠 65.5円
リトドリンは1錠 14.5円
になっています。
1日3錠、一か月(30日間)、自己負担が3割で内服した場合
ウテメリン
65.5円×3錠/日×30日×0.3(3割負担)で
1768円です。
リトドリンは
14.5円×3錠/日×30日×0.3(3割負担)で
391円です。
どうでしょう?
リトドリンにすると約4分の1になります。
あとは今回の記事を読んで、
金額と、その他の情報を加味して、
ウテメリンを飲みたいか、
リトドリンを飲みたいかを自分で決めて下さい。
ちなみに、病院も薬局も、基本的に
後発品(ジェネリック)をすすめてきます。
それは処方した(調剤した)薬が全体の○○%を超えると、
施設で点数の加算がとれるためです。
つまり、後発品を使った方が病院や
薬局はもうかるということです。
また、日本の医療費全体を考えても、問題がないのであれば
できるだけ後発品(ジェネリック)を使っていきたい。
というのもあります。
ですので、薬局によってはそもそもリトドリンしか
置いておらず、ウテメリンがなかったり、
病院がジェネリックに指定していることもあります。
ですので先発品のウテメリンを飲みたいのであれば、
そのあたりは確認しましょう。
ウテメリンとリトドリンの両方を使ってみて
私は長男の時はウテメリン、
次男の時はリトドリンを使っていました。
長男の時は切迫早産と言われたショックも大きく、
不安もあり、ちゃんと先発品が飲みたいと思ったからです。
でも、入院してからの点滴はジェネリックのリトドリンでした。
これについて決める権限は私にはありませんので・・・。
次男の時は、妊娠しようと決めたときから
切迫早産になるであることもウテメリンを内服すること
になるであろうことも覚悟していました。
ですので、精神的にも落ち着いていましたし、
リトドリンの方が安いし、
リトドリンを飲んでいまいちだったら、
ウテメリンに変えようと思っていました。
リトドリンを飲んでも、ちゃんと
お腹の張りは収まりましたし、
私は特に不都合は感じませんでした。
【女医ブログ】ウテメリンとリトドリンのまとめ
今回は女医ブログとして、ウテメリンとリトドリンの違い
をみてきました。
・ウテメリンとリトドリンの違いは?
ウテメリンとリトドリンで同じなのは?
ウテメリンとリトドリンの違いは?
・ウテメリンをリトドリンにすると問題がある?
・ウテメリンとリトドリンの 効果に違いがあるの?
・ウテメリンとリトドリンの価格を比較!
・ウテメリンとリトドリンの両方を使ってみて
ということでみてきました。
ウテメリンとリトドリンは、
薬効成分や薬効成分の量は一緒で、
添加物が異なることがわかりました。
また問題としては、添加物によるアレルギーや
副作用があり、またプラセボ効果や
薬の切り替え効果についてみました。
ちなみに、ウテメリンの薬効成分自身で
アレルギーや副作用が出ることがあり、
その場合は、その薬自体が使えないということに
なります。
ウテメリンとリトドリンの効果の差は
ほとんどないのではないかと思います。
リトドリンの価格はウテメリンの4分の1程度でした。
またウテメリンとリトドリンを両方飲んだ、
自分の経験談も記載させて頂きました。
誰かのお役に立てると嬉しいです。
女医ブログを最後までお読みいただき
ありがとうございました。
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