女医ブログをお読みいただき
ありがとうございます。
今回は切迫早産の自覚症状・兆候はあるの?
お腹の張りや出血、破水などについて
みていこうと思います。
目次
切迫早産に自覚症状はあるの?
ちなみに切迫早産とは妊娠37週以前に
「子宮頚管が短くなったり、
子宮口が開いてきてしまい、
早産する一歩手前の状態になること」
を言いますが、
実は、自覚症状はありません。
痛くもないですし、全く気が付きません。
ですから、妊婦健診の時に経膣エコーで
子宮頚管をみて長さをはかったり、
内診してもらうわけです。
「全く気が付かなかったけど、
切迫早産って言われてしまった。
私って鈍いのかな。」と思った方、
あなたが悪いわけではありません。
それが普通です。
再度いいますが、
自覚症状はないのです。
だだし、以下のような症状があった場合、
切迫早産が進行する
もしくは
進行して症状がでている
と考えられますので、
必ず病院に行って下さい。
お腹の張り
多くの妊婦さんが普通に経験する症状なので、
お腹の張りがあるからと言って、
切迫早産になるわけではありません。
しかし、切迫早産の兆候のこともあります。
お腹の張りについて詳しく見ていきましょう。
妊娠初期(~妊娠15週)
妊娠初期は、お腹の張りを感じることは少ないです。
子宮が小さいため、張りとしては感じにくいのです。
下腹部の痛み、違和感、重さ、
を感じることがありますが、
①子宮が大きくなっていく
②それに伴い子宮を支えている組織が引っ張られる
という2点のためにを感じます。
生理痛(月経痛)のような
痛みが続くこともあります。
基本的に出血がなく、
超音波検査で胎児の心拍が確認できれば、
まず大きな問題はありません。
ですので、気にしすぎないようにしましょう。
妊娠中期(16週~27週)
中期は、つわりが治まって
快適に暮らすことができる時期です。
おなかは安定しており、
張りはじっとしている時、
横になっている時にはほとんどありません。
悪阻が治まり、体調が良くなることで、
よく動くようになり、その結果
お腹が張ることがあります。
その場合は、横になって少し休むと、
ほとんどの場合よくなります。
- じっとしていても、
お腹の張っている感じがよくある。 - お腹の張っている感じが
1時間に4回以上ある。 - 痛みで起きてしまう。
(お腹の張る痛み、腰痛などは除く) - 張りの感じが強くなっていく。
上記のような場合は
切迫早産の可能性がありますので、
かかりつけの産婦人科を受診しましょう。
妊娠後期(28週以降)
出産に向けて、体が準備をしはじめるので、
一番張りを感じる時期です。
ほとんどの人は、お腹の張りが、
自分で触ってわかるようになります。
触ると板のように固くなっています。
張っていない時と触り比べてみて、
比較するとよくわかります。
張る回数も増えてきて、張り方も強くなってきます。
(多少の痛みを感じることもあるはずです。)
1時間に4回以上の張りがあり、
どんどん強くなっていく場合、
間隔が短くなってくる場合は、
陣痛(10分以内の感覚で張りが起こる)に
繋がる可能性があります。
37週以前に陣痛が来るのは、早いですので、
すぐにかかりつけの産婦人科に受診しましょう。
また、張りがじっとしていても治まらなかったり、
感覚的にいつもとは違う張りや、出血、痛みを
感じたらかかりつけの産婦人科に受診しましょう。
下腹部痛や背部痛
安静にしても痛みが治まらず、
強くなるときは注意が必要です。
お腹の張りは、下腹部痛・背部痛として
感じられている可能があります。
ただし、お腹の張りの場合は、
ずっと張りっぱなしということはないので、
痛いときと、そうでない時があるはずです。
もし下腹部痛・背部痛が続く場合は、
虫垂炎(盲腸のこと)や尿路結石などの
可能性もあります。
どちらにしても、一度診察が必要ですので、
かかりつけの産婦人科にいくようにしましょう。
出血
出血は、子宮頚管・子宮口が
開いていることにより起こることがあります。
痛みや張りなどもなく、トイレにいったら、
パンツに血がついている、
という状態になることもあります。
その場合は、すぐに病院にいきましょう。
出産時期より前の場合は
切迫早産と診断される可能性が高いです。
出産前におりものに混ざって、
少量の出血がある場合は、
「おしるし」と呼ばれ、自然な経過です。
破水
妊娠37週以降に破水した場合はいいですが、
それ以前に破水してしまうと、
切迫早産と診断され、
そのまま入院になることがほとんどです。
破水してしまうと、子宮内に雑菌が侵入し、
感染しやすくなります。
感染した場合は1週間以内に
出産へとつながるケースが多いです。
破水は、尿漏れと間違えやすいので、
見分け方を覚えておきましょう。
尿漏れと破水の見分け方
色と匂いが違う
・尿 黄色でアンモニアの匂い(尿臭)。
・羊水 無色で無臭か生臭い匂い。
出かたの違い
・尿 自分の意思で止めようと思ったら止められる。
・羊水 どれだけ頑張っても自分の意思で止められない。
(気がつい方パンツが濡れている)
量について
・大量に出る場合(パンツがびしょびしょに濡れるくらい)
・少量でチョロチョロ出る場合
上記の2パターンがあります。
大量に出た場合は、まず間違いなく破水と気が付きます。
問題なのは、少量でチョロチョロでる場合です。
パンツがちょっと濡れてるな、
という程度しか出ないこともあるため、
気が付かない場合があります。
量が少ないので、色や匂いも分かりづらいです。
ですので、気が付いた時には、
お腹の羊水の量がかなり減っていて、
赤ちゃんがしんどいことになっていることがあります。
「自分で気が付かない内にいつの間にか、
パンツが濡れている」ということが数回続いたら、
かかりつけの産婦人科に受診しましょう。
まとめ
今回は切迫早産の自覚症状についてみてきました。
・「子宮頚管が短くなる、開く」ことに
対しては自覚症状はありません。
以下の症状がみられた場合は、
かかりつけの産婦人科を受診しましょう
- 普通以上にお腹が張る(詳しくは本文参照)
- 治らない下腹部・背部痛
- 出血
- 破水
女医ブログを最後までお読みいただき
ありがとうございました。
この記事を読んだ方にお勧めの記事
気になるキツネをクリック