女医ブログをお読み頂き
ありがとうございます。
私は、第2子の妊娠で
「子宮頸管無力症」と診断され
「子宮頸管縫縮術」という手術を受けています。
あまり頻度の多い疾患ではありませんが、
切迫早産の原因の20%程度を占めるとも言われています。
子宮頸管無力症についてまとめようと思います。
目次
切迫早産の原因になる子宮頚管無力症とは?
子宮頸管とは?
出典:https://192abc.com/20827
子宮頚管 = 子宮頸管 です。
図を見てもらうのが、一番わかりやすいと思いますが、
子宮頚管とは、子宮の下部1/3を占めており、
子宮の中と腟とをつないでいます。
お産のときに赤ちゃんの通り道になります。
一般的には、
妊娠中の子宮頚管は、しっかり閉じて
お腹の赤ちゃんが外に出てこないように支えています。
妊娠後期(妊娠8か月~:妊娠28週~)に入る頃から、
少しずつやわらかくなり始め、
赤ちゃんが下に降りてくると子宮頚管が短くなってきます。
子宮頸管無力症とは?
子宮頚管無力症とは、
陣痛が来たわけでもないのに
子宮口が開いくる疾患です。
妊娠中期(妊娠5か月~:妊娠17週~)に
診断されることが多いです。
子宮頚管無力症の発症率は、
全妊娠の約0.05〜1%(200人に1人か2人)と
高くはありませんが、
流産・早産の原因のうち約20%を
占めているとも言われています。
子宮頚管無力症の症状
子宮頚管無力症には
自覚症状がありません。
ですので、自分ではわかりません。
妊婦健診で行われる、
内診(椅子に座って足を開いて行う診察です。)
と
経膣超音波検査
で発見します。
お腹からの超音波の検査ではわかりません。
子宮頚管無力症の原因
現在のところ原因は不明です。
ただし、頸管無力症のリスクとしては
産まれた時から
・子宮頚管が短い
・子宮奇形(子宮の形が異なっている)
その他に
・子宮頸部の円錐切除術を受けたことがある方
・子宮内容除去術(中絶の処置)をされたことがある方
・出産の経験がある方
上記の方は、その他の方に比べ
子宮頚管が弱いと考えられるので、
頸管無力症になる確率が上がります。
また、過去の妊娠で
「子宮頚管無力症」を診断された方は、
次の妊娠でも起こりやすいです。
子宮頚管無力症の診断
内診と経膣超音波検査で診断します。
内診で
・子宮頚管の柔らかさや
・子宮口が開いていないかどうか
・胎児や羊水腔(羊水が入っている袋)が
外に出てきていないか
を確認します。
経膣超音波では
・子宮頚管の長さ
・子宮口の開き具合
・羊水腔の位置
などがわかります。
子宮頚管が短い、
子宮口が開いてきている
羊水腔が外に出てきそうになっている
などの状態が確認できると
子宮頚管無力症と診断されます。
子宮頚管無力症の治療
子宮頚管無力症と診断された場合、
治療としては、
・慎重に経過観察
・手術を行う
手術は
腰椎麻酔(背中から行う麻酔、意識はあります)
で
頸管縫縮術を行います。
シロッカー法とマクドナルド法があります。
詳しく知りたい方は、こちらを参照下さい。
過去の妊娠で子宮頚管無力症と
診断された経験がある人は、
予防的に頚管縫縮術を受けることもあります。
手術をする、しないに関わらず、
切迫早産と診断されれば、
管理入院が必要になることもあります。
切迫早産でどんなことに気を付ければいいのか
についてはこちらの記事を参考にして下さい。
子宮頚管無力症になった私の経験
私は第2子の妊娠の時、
妊娠21週(妊娠中期)の妊婦健診で
子宮頚管長は30mmほどあるが、
子宮頚管が柔らかく、
指が1本入ると言われ、
(子宮口が開いているということです。)
その日のうちに入院し、
ウテメリンの点滴を開始し、
その3日後に
頸管縫縮術(シロッカー手術)を
受けました。
自覚症状は「お腹の張り」
くらいで、その他はありませんでした。
もともと第1子の妊娠の時も
お腹の張りが強く、入院していたので、
「お腹の張り」については想定内でした。
が、「頸管無力症」と言われるとは
思っていませんでした。
腰痛麻酔で行った
シロッカー手術は
問題なく終わりました。
その後の経過については、
また別記事で詳しく記載しようと思います。
子宮頚管無力症のまとめ
今回は女医ブログとして、子宮頸管無力症
についてまとめました。
症状
原因
診断
治療
私の経験
について書きました。
頻度は多くありませんが、
自覚症状もなく、
原因も不明なので、
発見には妊婦健診が大切になります。
子宮頚管無力症の治療の手術については
別記事にまとめています。
子宮頚管縫縮術
・シロッカー手術
・マクドナルド手術
というものです。
気になる方は、下のキツネのリンクから
読んでみて下さい。
女医ブログを読んでいただいて
ありがとうございました。
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