プロゲデポーの赤ちゃんへの影響
黄体ホルモンは元々、
体内で作られるホルモンなので
大きな心配はいりません。
黄体ホルモン剤の使用と
先天異常児出産との因果関係は
いまだ確立されたものではないが、
心臓・四肢等の先天異常児を
出産した母親では、対照群に比して
妊娠初期に黄体ホルモン剤又は
黄体・卵胞ホルモン剤を使用していた率に
有意差があるとする
疫学調査の結果が報告されている。
※添付文書とは
医薬品や化粧品などにおいて、
警告や使用上の注意、品目仕様、
その他の重要事項を記載した書面。
日本の添付文書は、薬機法に基づいて
作成される公文書。
上記のように妊娠初期に黄体ホルモンを
投与していた方(不妊症の治療に使用されている)で
赤ちゃんに影響がでることがある
という調査もあるようですが、
それについてもまだ因果関係は確立されていません。
さらに言えば、切迫早産の人が、
プロゲデポーを投与するのは、
基本的に妊娠中期以降なので、関係ありません。
調べてみると、妊娠16週以前の投与で、
男児の「尿道下裂」という病気が増える可能性がある。
と、報告がされていることがわかりました。
妊娠16週以前では、まだお腹の子どもが
男の子か女の子かわからないですよね・・・。
その報告の影響で、海外では投与開始が
妊娠16週以降で推奨されているのかもしれません。
まとめ
今回はプロゲデポーについてみてきました。
・切迫早産の治療薬
・プロゲデポー(筋肉注射)とは
・プロゲデポーの効果は?
・プロゲデポーの適応/副作用
・プロゲデポーの赤ちゃんへの影響
などを見てきました。
プロゲデポーは比較的最近出てきた薬で、
今まで治療の中心だった子宮収縮抑制薬とは
全然違うお薬になります。
プロゲデポー=プロゲステロン製剤ですが、
妊娠を安定させるためのとても大切な
ホルモンを補充できる治療です。
プロゲデポーの適応は
早産のリスクがある場合でした。
また副作用は、過敏症や皮疹などがあり、
また筋肉注射が痛いです!
赤ちゃんへの影響は、
大きくは心配いりませんが、
妊娠初期の投与では、少し注意がいるようです。
気になる人は主治医に確認してみて下さい
女医ブログを最後までお読みいただき
ありがとうございました。
気になるキツネをクリック!
コメント
教えて下さい。
現在で2人目を妊娠中です。1人目の時に24週で切迫早産で入院。34週で出産になりました。今回も切迫の危険性があるとのことで、現在妊娠9週で筋肉注射がはじまりました。こんな初期から注射をするのは胎児への影響は大丈夫でしょうか?教えてください。よろしくお願いします。
川島様
コメントありがとうございます。英語の論文も読んで調べてみました。
世界的にはプロゲテポーの投与は妊娠16週以降が推奨されてはいるようです。
それ以前の投与については、「男の子の尿道下裂」という病気が増える「かも」しれない。
となっていました。
以下がその文章の本文そのままです。
ただし英語の論文は黄色人種(日本人)がベースではないことが多いので、参考程度にしかなりません
不安なら、主治医に相談してみて下さい。また何かあればいつでも質問して下さいね。
A possible increase in risk of hypospadias in male offspring exposed to exogenous progestins before 11 weeks of gestation has been described [77,78]. Even if confirmed, the concern is not relevant to women with prior preterm delivery since they will receive the drug after 16 weeks of gestation.
元気なお子さんが生まれるのを私も祈っています。
また長期入院になるかもしれませんが、淡々と日々をお過ごしください。
(頑張ってとは口に出せませんでした。)