【女医ブログ】早産でのステロイド(リンデロン)注射の効果は?肺が成熟するの?

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女医ブログをお読みいただき

ありがとうございます。

切迫早産と診断され、

「早産をしそうだ」と

医師に言われた時に、

リンデロン(ステロイド)を

投与する場合があります。

どんな時に投与するのか

その程度の効果があるのかなど、

ステロイド注射の効果について

まとめました。

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ステロイドの筋肉注射はどんな時に使うの?

ステロイドの筋肉注射は

どのような時に使用されるのでしょう?

ステロイドの筋肉注射は、

妊娠22週以降34週未満の妊婦が

1週間以内に早産になる

予想される場合

ステロイド薬を使用することが

勧められています。

ですので、もし産婦人科の医師から

ステロイドの筋肉注射を勧められた場合、

その医師は一週間以内に早産になる

可能性が高い。と考えている

ということになります。

どんな薬がどんな風に使われるの?

ステロイドには様々な種類がありますが

日本で早産の時のステロイド薬として

保険で承認されているものは、

リンデロン®(ベタメタゾン)

という薬のみです。

ですので、基本的には、

リンデロン®が使われます。

早産に対しての投与の場合は、

リンデロン®12mgを

24時間ごとに2回筋肉注射します。

早産に対してどんな効果があるの?

早産に対してのステロイド薬の効果は、

様々なものが認められています。

妊娠26週~妊娠34週までの早産に対しては、

以下の効果が証明されています。

また妊娠22週~25週の早産に対しては、

質のよい研究は現在行われていませんが、

効果があるのではないか、と言われています。

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新生児呼吸窮迫症候群(RDS)を減少させる

お腹の赤ちゃんの肺は、妊娠34週頃に完成します。

臓器の中で、最も成熟が遅いです。

そのため、妊娠34週以前に産まれた赤ちゃんは、

肺が未熟のまま生まれてくることになります。

当然肺が未熟なので、呼吸が上手くできません。

その状態を新生児呼吸窮迫症候群(RDS)といいます。

ステロイドの筋肉注射は、

肺の成熟を促し、中等度・重症のRDSを

減らす効果があることが証明されています。

その他の効果

早産した赤ちゃんの

  • 死亡
  • 脳室内出血
  • 壊死性腸炎

が減少することが認められています。

また長期的にみた場合も

脳性まひになる頻度が低い傾向にある

と言われています。
(こちらについては、明らかに減少するとまでは

証明されていません。)

※脳室内出血とは
脳の中で出血が起こることです。

高齢者で起こりやすい脳卒中・脳出血と

同じです。

もし起きた場合は、後遺症として

麻痺などが残る場合があり、

亡くなることもあります。

※壊死性腸炎とは腸炎の一種です。

腸の血液の流れが悪くなり

さらに細菌感染を起こし、

腸が傷つき壊れていく病気です。

殆どの場合、生まれてから30日以内に起きます。

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ステロイドの筋肉注射は
どんな妊婦・どんな時期に効果があるの?

ステロイドの筋肉注射は

先ほどから説明している通り

妊娠22週~34週の間で

早産してしまった場合に効果があります。

また、

・破水をしてから注射を打った人

・注射後24時間以内に出生した人
に対しても効果があります。

ただし注意点が一つあります。

ステロイドの筋肉注射を打って、

7日以上経過してから、

出産した場合は

効果が認められていません。

ですので、

7日以内に出産しそうな方を

対象に注射をします。

ただ、当然なのですが、

できるだけ長くお腹にいた方が、

赤ちゃんにとってはいいので、

「ステロイドを注射して、

7日以上経過して、

薬の効果がなくなっちゃう。」

と考えるのではなく、

「先生は7日以内に生まれると

思ってステロイドの注射をしたけど、

7日以内に生まれてこないなんて、

うちの子は偉いな!!」

と前向きにとらえて下さい。

基本は1日でも長くお腹に。です!

ステロイド薬の副作用は?

「ステロイド 副作用」

と検索すると、物凄い数の副作用が出てきます。

ステロイドは様々な疾患に対して

使われる薬ですが、副作用も沢山あるので、

注意して使用することが大切です。

ただし、ステロイドの副作用の

殆どは「長期投与した際」に

起こるもので、

短期的に2回くらい投与しただけでは、

ほとんど問題になりません。

ですので、

「ステロイド 副作用」で検索するのは

やめましょう。

ただし、妊婦さん特有の

注意すべきことがあります。

ステロイドの注射は

・血糖値をあげる

・血圧をあげる

という副作用があります。

ですので、妊娠糖尿病や妊娠高血圧を

合併している方の場合は、注意が必要です。

ただし、多くのよい効果が

証明されている薬ですので、

注意しながら投与することが多いです。

その場合は、先生の指示に従って下さい。

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【女医ブログ】早産への
ステロイド投与のまとめ

今回は女医ブログで早産に対しての

ステロイドについてまとめました。

・ステロイドの筋肉注射はどんな時に使うの?

・どんな薬がどんな風に使われるの?

・早産に対してどんな効果があるの?

新生児呼吸窮迫症候群(RDS)を減少させる

その他の効果

・ステロイドの筋肉注射は
どんな妊婦・どんな時期に効果があるの

・ステロイド薬の副作用は?

などについてみてきました。

胎児に対して、様々な効果がある薬で、

血糖値をあげる、高血圧になる

以外は副作用として

あまり悪いことはありません。

もちろん早産にならないのが一番ですが、

最近は様々な薬があるのだな

ということを知って頂けたら嬉しいです。

女医ブログを読んでいただいて

ありがとうございました。

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